FXは怖い?借金?→現役トレーダーが損失の仕組みからわかりやすく解説します

こんにちは。FXトレーダーのアセロラです。

この記事を見にきてくれたあなたは、以下のような疑問をお持ちですか?

  • 「FXは怖いって聞くけど、なんで?」
  • 「友人や恋人、家族がFXをしてる。やめさせるべき?」

「相場暴落で借金地獄!」なんて話を耳にしたり、漠然とFXは怖いものという認識がありますよね。
私も実際にトレードを始めるまではそうでした。

でも今では、「怖いからやりたくない」→「ここを気をつければ想定内」という考えに変わりました。

FXについて学んだり実際にFXトレードをする過程で、どんな時にどの程度の損失が生まれるのか、その仕組みを理解できるようになったためです。

アセロラ

FXの仕組みが理解できれば、自分でリスクをコントロールできるようになります。
例えば「最大でもこの金額の損失だけで済む」というトレードをすることが可能です。

というわけでこの記事では、FXのしくみと怖さについて以下の流れで解説していきます!

  1. なぜみんなFXを怖がるのか?
  2. そもそもFXとは?仕組みと証拠金のお話
  3. なぜFXで借金に?3つのリスクとよく聞く悲劇のお話

アセロラ

この記事を読み終える頃には、巷で言われる「FXの怖い話」の真相も理解できるようになります。
なぜ借金や破産、家庭崩壊なんて事態になるのか、FXの仕組みに沿って理由を解説していきますね。

ちなみに続編の第2回ではより実践的に、

  1. 3つのリスクを減らしてFXをするには
  2. 安心トレーダーのチェックリスト

という話をしたいなと思ってます。

では早速まいりましょう!

なぜみんなFXを怖がるのか?

そもそもなぜ、FXは怖がられているのでしょうか?
その理由は冒頭で触れたように、多くの人がFXについて知識がないからです。

具体的には、

  1. なぜ怖いのか(理由)
  2. どういう場合にリスクがあるのか(仕組み)

この2つを理解できていないから怖いと感じるんですよね。

例えば自動車の運転も「怖い」ですよね。

アセロラ

さも当たり前のように、みんな自動車という鉄の塊を猛スピードで運転してますよね(笑)
本来、交通事故を起こした時のことを考えると、おいそれと乗れたものではない・・・。

それでも多くの人が車に乗るのは、以下のような「知識」を教習所で学ぶからです。

  • 自動車運転で怖いのは交通事故だ(怖い理由)
  • 交通事故の危険は、交通ルールを破ったり、誤った運転操作をした時に起きやすい(仕組み)

このような知識があるからこそ、運転の「リスク」を受け入れて、車のある便利な生活を送ることができるわけですね。

アセロラ

何事も「どうすると危ないか」というリスクと、その対処法を知っているかどうかで怖さが変わりますよね。

ところが、FXには教習所はおろか、助手席の教官もいません・・・。
こんな状態でいきなり大きい資金を使ってトレードをするのは、交通ルールを知らずにいきなり公道に出るのと同じです。

というわけで、今回のような記事を読んで「致命傷を避けるための知識」はしっかり身につけておくのがおすすめです。

まずはFXの基礎として、仕組みから知っていきましょう。

そもそもFXとは?

アセロラ

このパートではFXで損益の生まれる仕組みや「証拠金取引」の意味について解説しています。
既に知ってるよという人は飛ばしてもらってOKです。

FXとは「Foreign Exchange」の略で、「外国為替証拠金取引」を意味します。

ちょっと難しい単語が出てきました!
ですが、以下の2点に分けて理解してもらえればOKです。

  • 「外国為替」、つまりドルなどの外国の通貨を売買するトレードのこと
  • 「証拠金」という制度があり、自分の資金の数倍のお金でトレードできる

アセロラ

FXは、例えば円でドル(外国為替)を売買して、その差額で儲けること、という理解でOKです。
「証拠金」という仕組みについてはやや難しいので、後ほど解説していきますね。

まずはFXの流れを掴んでみる

まずはイメージしやすくするために、FXの全体の流れを追ってみましょう。

  1. 好きなFX業者に申し込んでFX用の口座を開く
  2. FX用の口座に手元の資金を入金して準備完了
  3. 売買したい通貨と量、価格を決めて注文する
  4. 取引が成立すると、持っている円と、選んだ通貨が交換される
  5. 好きなタイミングで持っている通貨を円に戻す
  6. FX用の口座から自分の手元へ出金する

こんな流れになります。

アセロラ

FXの通貨の売買をしているのは、手順4と5の「円と外国通貨の交換」の部分ですね。
4で交換した円よりも5で手元に戻ってきた円が多ければ利益、少なければ損失となるわけです。

では、どのような取引ができれば利益に、あるいは損失になるのでしょうか?

FXで利益を得る仕組みは「安く買って高く売る」こと

まず前提として、通貨の価格は変動しています。

例として、ここ1年の米ドルと日本円のレートをTradingViewのサイトで見てみましょう。

見て分かる通り、この一年間でドルの価値は上下に変動しています。
これは1年間の様子ですが、もっと細かく見ると実は1分単位でも上下に変動しています。

アセロラ

もちろん、ドルだけでなくユーロやポンドといった他の通貨もそれぞれ価格が変動しています。
変動の要因は色々とありますが、とりあえずは「FXトレーダーや外貨が必要な人達同士が常に売買をしているから」と考えておいてください。

そんな中、外貨を売買して利益を出すには、

  • 安い時に買う
  • 高い時に売る

この2つをすれば、差額分が利益として手元に残ります。

では、具体的な数字を用いて、利益が生まれる流れを見てみましょう。

例:円でドルを売買して儲けたい!
現在のドルの価格は$1=100円、つまり100円で1ドルだけ買える状態。
この状態でドルを$100分だけ買ってみる。

まずは、うまく利益が出るケース。
ドルの価格変動に注目です。

  1. 現在の価格が$1=100円
  2. 10000円出して$100だけ購入する
  3. やがて価格が$1=101円に変動(ドルの価値が1円あがった)
  4. $100を売却して10100円手に入る
  5. 差額100円が利益になる

ドルを安く買った後に、ドルの価格が高くなってから売る事ができると利益になるわけです。

一方で、損失になるケース。

  1. 現在の価格が$1=100円
  2. 10000円出して$100だけ購入する
  3. やがて価格が$1=99円に変動(ドルの価値が1円さがった)
  4. $100を売却する9900円手に入る
  5. 差額100円が損失になる

逆にドルの価値が値下がりすれば、当然その分だけ損失を抱えることになります。

ちなみにこの例だけ見ると「通貨が下がり続けてるときはFXで儲けられないのでは?」と思いますよね。
ところがFXではドルを売って買うように「逆順の取引」もできるので、実は暴落相場でも利益が出せます。

イメージとしては、持っていない通貨を「持ってるつもりで」売って、あとで買い戻す感じですね。

余談:価格が戻るまで粘れば負けない!?

あれ、でもドルを買った後に値上がりするまで持ち続ければ負けないのでは?
安い時に売って円に戻しちゃうから負けるんだよね?

おっしゃるとおり、値上がりするまで待てば実質負けません。

利益や損失は、「決済」、つまり外国通貨を円に交換するまで確定しないためです。

アセロラ

このように、決済しておらずまだ確定しない利益や損失のことをそれぞれ「含み益」「含み損」と呼びます。
含み益や含み損は、トレード中の画面から円の単位で確認できます。

そして、決済取引によって利益や損失が正式に決まることを「利確」「損切り」と呼びます。

では、なぜFXで損失を出す人がいるのでしょうか?

それは、後に登場する「証拠金取引」の仕組みを聞くと理解できるようになります。
証拠金取引制度を使ってトレードする場合、本当は嫌だけど、損切りせざるを得ない状況になってしまうということです。

アセロラ

こう聞くと、証拠金取引制度が悪のように思えてしまいますね(笑)
実はそんなことはなく、これからお話するエピソードを聞くことで「使いよう」だとわかるはずです。
包丁と一緒で、使い手次第で便利な調理器具になったり凶器になったりするんです。

たった1万円稼ぐのに莫大な資金が必要!?

さて、ここまでのお話で利益や損失が生まれる仕組みはわかりました。

ところが解説で取り上げた例では、たったの100円の利益しか狙えていませんでした。
みなさんが欲しいのはたったの100円じゃないですよね?

なのでここからは、現実的に稼ぎたい額の利益を狙うトレードはどのような取引になるのか、考えていきましょう。

さて、どれくらいの利益を狙いましょうか?

美味しいご飯を食べたいから、トレードでサクッと1万円稼ぎたい!

ではここからは例として、1回のトレードで1万円稼ぐ場合を考えることにしましょう。
つまり、先ほどの例で見た利益100円の100倍稼ぐ必要がありますね。

ドルの値動きが先ほどの例と同様だとすると、100倍の利益を狙うには売買する通貨量を100倍にする必要があります。

太字の部分に注目してみてください。
先ほどの100倍の大きさで取引をしていることがわかります。

  1. 現在の価格が$1=100円
  2. 100万円出して$10000だけ購入する
  3. やがて価格が$1=101円に変動(ドルの価値が1円あがった)
  4. $10000を売却して101万円が手に入る
  5. 差額1万円が利益になる

というわけで、確かに100倍の通貨量を取引することで、欲しかった利益1万円がトレードで得られることがわかりました。

いやちょっとまって、「2」を見ると100万円使ってるけど!?

はい、その通りです。
まず$10000を購入するために100万円をFX口座に用意する必要があります。

いや、でも、ドルがもっと激しく値動きしてくれれば、そんなに通貨量を増やさなくても良いんじゃないの?

その通りです。
上の例では$1=100円から$1=101円と1円分しか動きませんでしたが、仮にもっと動くようならより多くの利益が狙えます。

一旦まとめると、FXの利益は以下の2つで決まると考えてください。

FXの利益を決める2つの要素
1. 通貨の値動き幅
2. 売買する通貨の取引量

なのでFXで大きな利益を狙う戦略に「大きい値動き幅をとる」「大きい資金量で取引する」の大きく2通りがあります。

ところが今回のケースのように、100倍の利益を狙おうために100倍の値動きを狙うのは現実的ではありません。

これは$1=100円から$1=200円に値動きしてくれるのを待つことになってしまうためです!

アセロラ

ちなみにコロナショックで10円程度の値動きでした。
$1=200円なんて待ってたら、1万円の美味しいご飯どころか人生終了してる可能性すらあります(笑)

というわけで、FXトレードの利益を増やすには値動き幅に期待せず取引通貨量を増やす必要があるわけです。

これを聞いてどう思いましたか?

100万円用意して1万円を稼ぐって、ちょっと現実的じゃないですよね(笑)

  • 「ドルが確実に1円値上がりする保証もないのに、成功してやっと1万円の利益なのか」
  • 「まずそもそも100万円も貯金がない」
  • 「貯金があってもFX口座に入れる余裕はない」
  • 「たかが1万円の食事のためにそんなに資金が必要なの・・・」
  • 「もうその100万円から食事代出せば良いじゃん・・・」

ってなりますよね。

つまり、

「通貨の値動きが限定的だから、現実的な額を稼ぐには莫大な資金が必要」

という大きな問題点があるわけです。

お金が欲しいからFXをしたいのに、まともにFXをするのに結局お金が必要なの・・・?
最初から莫大な資金があるならFXなんてしないよ!

ごもっともな意見です(笑)
そこでこのジレンマを解消するために用意されたのが、「証拠金」という制度です。

だから証拠金制度で資金量を引き上げる

ここまでで説明した通り、FXで現実的な利益を出すには、数百万規模の資金で通貨を売買する必要がありますが、大抵そんな資金は最初から用意できません。

証拠金とは、「このくらいの損失額はちゃんと支払えます」という支払い能力の「証拠」として、一時的にFX業者に預けるお金だと考えてください。

FX業者側は証拠金の量に応じて、本来その額で取引できる数倍〜数百倍の通貨量を取引できるようにしてくれるわけです。

具体例で見てみましょう。

例えば大抵の国内FX口座では、必要証拠金は4%以上とされています。
あなたが$10000を買いたい場合に、FX口座に証拠金をいくら入金すればいいでしょうか?

考え方は、

  • $10000を買うには100万円必要
  • 100万円の取引をする証拠金は、その4%である4万円あればいい
  • つまり自分のFX口座に4万円以上入金すれば、$10000を購入する取引ができる!

ということになります。

100万円はきついけど、4万円なら用意できるな!

アセロラ

証拠金制度と一緒に覚えておきたいのが、「レバレッジ」という言葉です。

レバレッジは日本語で「てこ」を意味し、自分の資金の何倍の通貨を取引するかを指す倍率です。
証拠金と概念が似ていますが、言っていることは同じです。

国内FX口座では「最大レバレッジ25倍」とよく言われますが、これは「最小4%の証拠金で取引できますよ」という言い換えですね。

証拠金取引の裏側:強制ロスカットとは?

さて、これで証拠金取引の仕組みについて理解できました。

ここで気をつけなければいけないのは、「証拠金取引はいいことばかりではない」ということです。

本来100万円必要だったのに、たった4万円で1万円を稼ぐチャンスがあるなんて・・・
これは何か怪しいぞ?

お察しの通り、実際には持っていないお金で取引ができてしまうのですから、証拠金制度は使い方次第であなたに牙を剥きます。

その理由は「強制ロスカット」という、FX業者の用意したシステムが深く関係します。

強制ロスカットについてまとめると、以下のようになります。

  • 強制ロスカットは、トレーダーが到底払えないような損失に膨らむ前に強制的に損切りさせるシステム
  • つまりトレーダーを大きな損失から守ってくれるシステム
  • 言い換えれば、FX業者がトレーダーから損失金額を回収不能にならないようにするシステム
  • 発動条件は、自分の含み損が証拠金に対して一定割合以上(国内だと50%くらい)に膨らんだ時
  • 相場が急変動すると発動が間に合わない時もある(後述)

具体例を出すと、4万円を証拠金として入金して$10000の取引をしている時。

  • $1=100円でドルを買ったものの思うように値上がりせず、$1=98円に下落した
  • この時点で取引高は100万円→98万円となり、マイナス2万円の含み損に
  • 証拠金4万円の50%である2万円の含み損となったので強制ロスカット発動損切りされる

このようになります。

アセロラ

たとえ「まだこれから上がるかもしれない!」と思っても、含み損が膨らみすぎた時点でFX業者に見切りをつけられしまうわけです。
さながら「あなた4万円しか支払い能力がないのだから、それ以上はやめときな」と言わんばかりに・・・・。

これが「値上がりするまで待つ」戦法が通用しない理由です。
もちろん4万円でなく100万円入金して証拠金取引に頼らなければ通用しますが、利益は伸びません。

そんなわけで、証拠金取引の裏側について解説しました。
ワケも分からず証拠金取引を使っていると、あっという間に強制ロスカットにかかって資金が底をつく可能性も十分あるわけです。

ようやくここまでで「FXについて覚えておくべき仕組み」の解説が終わりました。
次のパートからはいよいよ、「FXのリスク」について仕組みから理由を紐解いていきます。

具体的にFXの何がリスクなのか

ここまで、FXで利益や損失の出る「仕組み」について、以下のポイントを解説してきました。

  • FXの利益も損失も、通貨の売買によって生まれる
  • FXの利益と損失額は「通貨の値動き幅」と「売買する通貨量」の2つで決まる
  • 現実的な利益のためには、証拠金取引制度を利用して通貨の取引量を多くする必要がある

ここからは、上記のようなFXの仕組みがどのように「FXのリスク」に結びつくのか?という関係性を解説してきます。

アセロラ

このパートを読めば、巷でよく言われる「FXの怖い話」が起きてしまう理由がわかります。
「あー、この人はこういうトレードをしたから破産したのね」と合点がいくはずです。

FXのリスク3つが「怖い話」を引き起こしている

まずはFXのリスク、つまり、大きな損失を出してしまうケースについて整理しておきましょう。

FXの仕組みから考えると、大きな損失を出してしまうのは、

  1. 通貨の価格が大きく動いた場合
  2. 売買する通貨量が多かった場合

の2つだと言えますよね。

FXの仕組み上、この2つの要因以外で多額の資金を溶かすことはありません。

ですが、この2つはあくまでFXの仕組み上の話。
もう一つ触れておかなければいけない「要因」があります。

  1. 損失を取り返そうとして無理なトレードを繰り返した場合

これはFXの仕組みが怖いというより、「人間のメンタル」が弱いという点が原因ですね。
つまり、FX以外でも、お金の賭け事につきもののリスクです。

まとめると、FXで大きな損失を出してしまうケースは、「FXの仕組み2つ」+「人間のメンタル」の計3つあると言えます。

FXで大きな損失を出すリスク3つ
1. 大きすぎる値動き
2. 多すぎる取引量
3. 無理なトレードを繰り返すメンタル

何がリスクかはわかったけど、結局なんでFXで借金地獄のような状況になるの?

ここが気になるところですよね。
これがわからないと、まだ漠然と怖いままです。

ところが、大抵のFXの怖い話は、これら3つのリスクが原因で借金地獄につながっているのです。

アセロラ

ここからはよくある怖い話を例にして、何が原因でどのように大損失につながるのか実際に解明していきましょう。

怖い話① ヤケになって借金してしまう

最初のお話はこちら。

FXで負けて消費者ローンに駆け込んだり、家庭崩壊とか聞いたことがあります。

物を売ったり、お金を借りたり、そうしているうちに、信用も資産も身の回りのものをどんどん失っていく・・・。
FXでよく聞く怖い話の代表格ではないでしょうか。

FXの見えない魔力で「もしかしたら自分が」あるいは「近しい人がそうなってしまうのではないか」と不安になりますよね。

「無理なトレードを繰り返すメンタル」になっている

この例は言うまでもなく、「3. 無理なトレードを繰り返すメンタル」によって引き起こされた悲劇です。

では、何が原因で、どのようにして追い詰められてしまうのでしょうか?

こうして無理なトレードを繰り返す
1. 初心者なのに運よく勝ててしまう
2.いざ負けた時に負けを認められず、損切りができない
3. 諦めて損切りをする頃には損失がふくらんでいる
4. ふくらんだ損失を取り返そうと、多額を入金して一発逆転のトレードをする
5. 「1. 」に戻る

よくある例がこちらです。

私もトレードをはじめた当初は、追加入金にこそ至らなかったものの、この精神状態を経験しています・・・。
もちろん誰もがこうなるわけではなく、程度の違いはあるかと思いますが、FXを始めた初期はこの状態に陥りやすいです。

原因:ビギナーズラックがメンタルを弱くする

ずばり負けるメンタルに陥るきっかけは「1. 初心者なのに運よく勝ててしまう」です。

FXは価格が上がるか下がるかを当てる取引なので、適当な方法でも勝てる時は勝ててしまいます。

「あれ、自分才能あるのでは?」
「FXって意外と簡単か?」

と思ってしまったらもう赤信号。

そのうち、

「この調子なら今月○万円稼げるな」
「来年までには○万稼いで車買って〜」

なんて調子に乗り始めて、いずれ運が尽きて負けます。

「いや、今までは勝ててた!相場が何か悪いんだ!」
「待ってれば戻るはず・・・」

と、「2. いざ負けた時に負けを認められず、損切りができない」状態になるのです。

「結局思ったように価格が戻らなかった・・・損切りするか」
「かれこれ強制ロスカット3回目か・・・○万稼がないといけないのに・・・」

とじわじわと追い詰められていきます。

稼げるはず、稼がないといけないという気持ちと現実のギャップに耐えられず、やがて「5. ふくらんだ損失を取り返そうと、多額を入金して一発逆転のトレードをする」ことになるのです。

アセロラ

これが重度になり、借金してまで逆転トレードをするようになると、「本当にあったFX怖い話」の出来上がりです。

対策:負けを認める

詳しくは次回触れていきますが、よく効く対処法は「負けを認めること」ですね。

とはいえ表面的に「ハイ、私は負けを認めました〜!」と高らかに宣言したところで、内心悔しさや怒りを覚えているのではメンタル的に意味はないですよね。

そもそも負けを認めるだけではトレードが上手くなるわけでもないので、着実に資金が減っていくのが目に見えてます。

そこで私がお勧めする方法は1つ、いえ、この一択のみです。

「無理なトレードを繰り返すメンタル」にならない方法
素直に負けを認められるように、負けた原因を分析し理解する

負けを認めた状態というのは、負けた原因を理解している状態ということです。
そして、その原因を対策して次のトレードに望める人は成長していくし、借金する事態にはならないでしょう。

これができずに「なぜ私が負ける!」「たまたま相場が悪かった!」と、さながらプライドの高い悪役のような捨て台詞を吐いてFXを引退していくトレーダーは少なくありません。

アセロラ

ちなみに「原因を分析・理解することの方法やメリット」とか「どのような分析ができていればリスク回避につながるか」といった部分は次回の記事で触れていこうと思います。
気になる方は更新までしばらくお待ちください。

怖い話② 高レバレッジは危険だ!

次のお話はこちら。

FXはレバレッジを25倍もかけられて危険だ。
株は現物で買ってればどんなに価値が落ちても借金しないのに。

FXには証拠金という制度があり、国内であれば最低4%の資金量を証拠金とする、つまり最大レバレッジ25倍の取引が可能です。

一方よく聞くのは、株は現物取引なので安心というお話。
これは、手持ちの資金だけで買える株だけを買う取引ですね。

アセロラ

ちなみに「FXと株ではどちらが安心ですか」という質問に対して「株のほうが安心」という回答が多かったりしますよね。
実はこれ、FXと株では目的も戦略も異なるため、そもそも比べるべきではないんです。

よくある株取引の戦略は「ある程度まとまった資金で成長株を長期保有する」ですが、対してFXは「少ない資金で短期的に売買する」ものです。

なので私からすると「車と電車、どちらが優秀な移動手段?」と聞かれているような違和感を覚えてしまいます。

では、FXのレバレッジがどう危険をもたらすのか、仕組みから紐解いてみていきましょう。

「多すぎる取引量」が損失を広げている

FXの証拠金取引は自分の資金量を超えた取引のため、レバレッジの大きさによってはあっという間に大事な資金を溶かす場合もあります。

つまり、「多すぎる取引量」というリスクによってもたらされた損失です。

仕組みを理解したあなたであれば「なんで危ない通貨量で取引する人が多いんだろう?」と思うかもしれません。

例えるなら「そんなにアクセル踏んだら危ないに決まってるでしょ」という感覚ですよね。

原因:資金に対して「取引量が多すぎる」ことに気づいてない

実はこの事実に気づいていなかったり、面倒で何も考えずに気分で取引量を決めてしまっている場合が多いです。
すると意図せずレバレッジがかかりまくり、トータルの損失もメチャメチャになるなんて。

すごい量の取引で含み損を抱えたら、果たしてどんな気持ちになるでしょう?

とんでもない額の含み損・・・頑張って貯めた給料が一瞬で溶けていく!
決済したくない!
頼むから持ち直してくれ〜〜!

大抵こんな心理になり、結局損切りできないまま、ますます自体は悪化するわけです。
取引量が多ければ多いほど、この状況に陥りやすくなります。

本来はこうならないために、経済的にも心理的にも適切な通貨量で取引しないといけないわけです。

「レバレッジ設定機能」はない!
私は当初「レバレッジが怖い」と言う話を聞いたとき、
「最初からレバレッジ設定?のようなものを小さくしておけば良いんじゃない?」
と考えていました。
ところが実際に取引注文画面をみてみると「レバレッジ設定」のような機能は無かったのです!
代わりにあるのは「どれくらいの通貨量を取引するか」を入力する欄だけ。
つまり「どれくらいの通貨量で、どれくらいレバレッジがかかるのか」を自分で理解しておく必要があるのです。

対策:適切なレバレッジになる取引量を計算する

そこで大事になるのは、自分の資金に対して適切なレバレッジがかかるような取引量に自分で調節する、ということですね。

「多すぎる取引量」を回避するには
自分が損できる額を決めて、取引する通貨量を逆算する。

本来、適切なレバレッジで取引をするためには、

  • 許容できる損失額をあらかじめ決めておく
  • 許容損失額に応じた適切な通貨量を逆算する
  • 取引する通貨量に必要な分だけレバレッジをかける

というステップをとるべきです。

証拠金取引は誤った使い方をすると危険な一方で、少ない資金で効率的に取引ができるという大きなメリットをもたらします。

つまり、証拠金取引やレバレッジそのものが危険なのではなく、使い手によって危険かどうか決まります。

「では具体的にどうすれば、正しいレバレッジをかけられるようになるの?」という内容については、また次回に紹介するつもりです。

怖い話③相場は自分でどうにもならないギャンブルだ

〇〇ショックで大暴落して借金地獄という話を聞く。
相場は自分でどうにもならないのに、ギャンブルと一緒だ!

相場の動きが読めない、という点は怖い話の筆頭ですね。
実際トレードしている身としても、「相場は読めない」はその通りだと思ってます。

原因:対策なしで相場に乗り込んでいるから

FXトレードでは常に、予想に反する「大きすぎる値動き」というリスクに晒されています。
そのために大損失を受ける人も少なくないのが事実です。

そのため基本的には「一定額まで含み損がふくらんだら、必ず損切りする」というルールが必要です。

このルールを守る取引をしていれば、たとえ大きな値動きが起きたとしても、損失額は一定で済みます。

でも、自分が見てないうちに相場が動いちゃったら、損切りが間に合わないんじゃない?

その通りです。
そこで、損切りする価格を事前に予約注文できる「逆指値注文」という機能を使うのが一般的です。

逆指値注文を使えば「見逃して間に合わなかった!」ということも無くなりますし、「いざとなると損切りできない・・・」という心理が邪魔することも回避できます。

とりあえず必ず逆指値注文しておくようにすれば何も怖くないな!

ひとまずは、その認識で大丈夫です。

特別な理由がない限りは逆指値注文を使い、どんなに大きな値動きがきても損失額を制限することが推奨されます。

いつ来るかわからない大暴落にも対策はできるのか?

さて、最後に触れておかないといけないのは、相場の暴落に対する逆指値注文の効果についてです。

ここまでの流れで言えば、いつ来るかわからない大暴落に対しても、逆指値注文を必ず入れるようにすれば問題なし!と言えればいいのですが・・・

え、大暴落には逆指値注文の効果がないの?

いいえ、全く効果が無いわけではないので、利用するべきです。

ただ「スイスフランショック 逆指値」などでググってもらうと詳しい話が出てきますが、あまりに大きな値動きのために、逆指値注文が正常に機能しない例があったようです。

また、FX業者の用意している「強制ロスカット」システムも機能しないほどの大きく激しい値動きだったと言います。

逆指値も強制ロスカットも効かない大暴落・・・どうなっちゃうの?

強制ロスカットが正常に効かず、はるか彼方暴落した後にようやく決済が執行された場合、口座残高がマイナスになります

すると、マイナス分を補填する「追加証拠金の支払い(追証)」が発生し、マイナス分のお金を口座に追加入金するようFX業者から催促が来ることになります。

とんでもない額の追証が発生すると、それこそ借金して支払う必要が出てくるわけです。

アセロラ

まるで「暴落 = 自然災害」のように思えてきますね。
軽い事故で済めばいいですが、

対策:逆指値注文 + 資金に合わせた取引量 + 海外FX口座の利用

では、暴落のリスクを減らす方法がないのかというと、そうでもありません。

暴落の対策として言うならば、まず取引量が多すぎないよう調整しましょう
普段から、必要以上の取引量でトレードしてないか確認するようにしましょう。

そしていずれの場合においても、基本的に逆指値注文を入れるようにしましょう
暴落のケースでも、このおかげで助かったケースがあったようです。

さらに大暴落の対策として「ゼロカット」付きの海外FX口座を利用する方法があります。
ゼロカットとは強制ロスカットの強化版のようなもので、追証が一切発生せず口座が0円になるだけで済むシステムです。
仕組み的には、損失分をその海外FX業者が負担してくれているようです(太っ腹!)。

アセロラ

どうにも「海外FX口座」と聞くと、ちょっと不安で怪しい感じがしますよね。
ただ結論、初心者段階では国内口座よりも「ゼロカット」付きの海外FX口座の利用がいろいろな意味で断然おすすめです。
いずれ記事にして紹介しますね。
「大きすぎる値動き」のリスクを減らすには
1. 逆指値注文を利用して、損失額を一定に抑える
2. さらに、取引量が資金に対して多すぎないよう調整する
3. 海外FX口座のゼロカットを利用する

まとめ

アセロラ

さて、ここまでお話ししてきたことを振り返ってみましょう。

まずはFXで行う通貨取引の仕組みを知り、損失の出る流れについて理解しました。

次に、FXの仕組み上のリスク2つと、人間が持つ心理的なリスク1つを合わせて「FXで大きな損失につながるリスク3つ」として整理しました。

  1. 相場の急変動で大きすぎる値動きが起きるから
  2. 自分の資金にあってない量を取引してるから
  3. 負けを認められず無理なトレードで負け続けるから

実は巷で聞く悲しいFX破産話は、いずれも上記リスクをコントロールしなかったために起きた悲劇だということも解説しました。

そうなると次に気になるのは、具体的にどういうトレードを心がければこれらのリスクを抑えることができるのか、ですよね。

そこで続く第2回では「具体的にどうするべきか」というテーマで、

  • 3つのリスクを減らしてFXをするには
  • どういうFXトレーダーなら安心か

についてお話ししていきます。

自分自身が、あるいは身の回りのあの人が、ちゃんとFXのリスクを理解して立ち回っているトレーダーなのかどうか気になる人はぜひチェックしてみてください。

ではまた!

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